今から何十年も前「ジョン万次郎」というテレビ番組があった。何で惹かれたのかはわからない。断片的なシーン2つくらいしか覚えてはいないし、ストーリーも覚えてはいない。でも、何か気になるものがあった。その後井伏鱒二(いぶせますじ)著の「ジョン万次郎漂流記」を買って読んだ。たぶん夏休みの読書感想文を書くためだった。おもしろかったという記憶はない。今読めば少しは理解できるかもしれないが。

 ジョン万次郎は、幕末、海外の情勢や文化を日本に紹介できたほとんど唯一の日本人。14歳のとき漁に出て遭難、捕鯨船に拾われてアメリカに渡る。10年後戻ってきたとき日本は黒船騒ぎの真っ只中、ペリーがやって来る2年前だった。それまでの日本は鎖国(さこく)を続けていたから、英語を理解できる人間はいなかった。

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